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ネイティブアメリカンが受けられる支援とは?現実はとても厳しいです。。

Aiy-yue-kwee’ Nee-kee-chue!

皆さんこんにちは、

亜希ダウニング(aki_downing)です!

カリフォルニア州のネイティブアメリカン”ユロック族”に嫁ぎ

先住民の土地でのびのび楽しく暮らしています!

さて今日は、ネイティブアメリカンが米国政府から受けられる支援についてのお話。

政府が公言していることと”実際に受けられている支援”はまるで違うもの。私達家族も、毎回かなり苦労して手続きをしています。もうアメリカ〜!!しっかりしてぇ〜!と投げ出したくなるくらい。。。

実際、アメリカ国内では「ネイティブアメリカンは支援をたくさんもらっている(ずるい)」といったような話がたくさんされていますが、全然なんですよ。。。これを見ているあなたにはぜひ真実を知ってほしい!そういう願いを込めて書きます。

この記事を書いた人
  • 在米セキュリティカウンセラー
  • オンラインコミュニティ『LinkUp』代表
  • 岩手県陸前高田市国際姉妹都市サポーター
  • 翻訳者・逐次通訳者
  • Webライター・Webデザイナー
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  • 岩手県陸前高田市
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もくじ

はじめに

私が話す内容はあくまでも”ユロックの居住地とその付近に住むユロック族”に限った話です。同じユロック族の人でも、住んでいる場所や血統の濃度、収入によって、受けられる支援には大きな差があります。

義理の姉は医師として働いていますので、同じ血統濃度であっても支援は受けられません。義理の妹はサンフランシスコのベイエリアに住んでいるので、同じ血統濃度でも支援の数や金額は少ないです。

このように同一民族であっても支援の内容に差があります。

他の州の他の民族は、またさらに違いが出てくると思います。

なのであくまで支援の一例だと思って読み進めてもらえると嬉しいです。

ちなみに連邦政府の出す支援の最低条件は血統濃度25%以上であることです。

医療費の免除

ネイティブアメリカンは病院にかかる際、United Indian Health Service(UIHS)に通います。このUIHSは日本で言うクリニックの立場。医療保険の制度ではない為、個人で医療保険に別で入る必要はあります。

ですがこのUIHSで受けた医療行為は全額無償!これには予防接種や健康診断も含まれます。

「アメリカではやたらめったら病院にかからない」というのが日本に住む日本人の認識だと思います。実際私もそう思っていました。しかし私達はUIHSには頻繁にお世話になります。

ただこのUIHSのデメリットは医療設備が全然整っていないこと。ほとんどが問診で終了です。エコー検査やCT、MRI、手術などの高度医療を受けるには紹介状をもらって近くの総合病院に行かなくてはなりません。ということは、そこではお金がかかるのです。

また、UIHSで処方してもらう薬もお金がかかります。以前、稽留流産の手術をしたあと、傷が痛むのでイブプロフェンを処方してもらいましたが$21かかりました。薬局で買ったほうが安い!!笑

日本は3割負担だったので金額に目が飛び出ました。笑

それから、ネイティブアメリカンではない人がUIHSにかかるともちろん医療費は負担しなければなりません。

しかし!!ここから大事な話ですよ!聞いて〜

私の旦那は血統濃度50%のネイティブアメリカン。なので医療費は全額免除となります。さらに妊娠した場合、血統濃度25%のネイティブアメリカンが宿っていることになるため、出産費用もかかりません。

、、、理解できました?私は自分で説明してても頭が混乱してきました!笑

説明難し〜な〜。

ただでさえややこしいアメリカの医療制度に加えて血統濃度も関係するなんて、、、

私の息子が将来ネイティブアメリカンでない方と結婚した場合、その配偶者はこの支援を受けることはできません。さらに息子の子供も血統濃度が12.5%となる為支援は受けられないのです。

個人差が激しすぎて一概には言えないですけどね。。。

幼児教育・義務教育の無償

アメリカは州によって義務教育の期間が違いますよね。「小学校5年、中学校3年、高校4年」もしくは「小学校6年、中学校2年、高校4年」が一般的です。

ネイティブアメリカンは高校卒業までの教育は無償で受けられます。そしてカリフォルニア州の場合は州立大学の学費はかかりません!!“UC System”と呼ばれる大学は全部で10校。UCLA, UC Berkeley, UCSDなど世界大学ランキングでも上位にはいる大学の学費が無償なのです。※学費が無償であっても、脳みその出来次第ではもちろん入れないですよ。。。笑

アメリカは日本と違い、地域によって教育格差が激しいことで有名。ネイティブアメリカンの居住地にある学校って、、、誤解を恐れずに言ってしまうと、他の地域に比べて教育レベルが低いのが現状です。

ネイティブアメリカンの多く住む地域は、街全体が発展しにくいようにできてしまっているんです。

今後この義務教育期間をどこで過ごすか日頃から夫婦でたくさんたくさん話し合っています。

旦那の意見
わたしの意見

夫婦で意見が揃わない〜笑

でも子どもたちに幸せに暮らして欲しいという意見は一致。旦那は、幼少期をユロックの保護地区で過ごしてきたからこそ、経験しているから感じているもの。言いたいことはものすごく良くわかる。自分だけでなく、親、兄弟、親戚、友達、たくさんの人が不当な扱いを受けてきた。未来に希望が持てずに死を選んだ親戚や友達もたくさんいる。

そんなつらい思いをしてここまで這い上がってきた旦那に、部外者のわたしが意見するのも違うよなぁ・・とも思う一方、子どもたちは私の子どもでもあります!!

なのでこうしてたくさん意見を言い合い、丁度いい落とし所を見つける日々です。どこの家庭ももちろん同じだと思います!!夫婦ってこうやって絆を深めていくんですね!楽しい!

、、、、話が大幅に逸れましたが。。笑無償で最低限の教育を受けるか、自分でより良い未来のために道を切り開くか。。

みなさんはどう考えますか?

2023年現在、夫婦で話し合いを重ねた結果『5年後に日本に家族で移住すること』になりました!この記事を書いた当初と、数年経った今、アメリカの治安の悪化は目を覆いたくなるほど変わってしまいました。そんな社会情勢を目の当たりにし、こういう決断となりました。

住宅ローンの援助

居住地とその周辺エリアに家を購入する場合、日本円で最大800万円の頭金の援助がもらえます。しかし、現実にこれがもらえる人はものすごく少ないです。というのを実体験として学びました。

政府の提示した条件が”居住地やその付近に直近で最低1年の居住歴がある。居住地のエリアで仕事をし、税金を収めている”などなど様々ありました。

私達はそれに全てクリア!晴れてこの援助の対象となったのです。2020年11月のことです。

すべての書類を用意し、記入し、提出。「2〜3週間で申請が下りるので、家探しを開始していいよ」とのことで、うきうきして家探しを開始しました。しかし待てど暮らせど連絡は来ない。1ヶ月が過ぎ、しびれを切らしてこちらから連絡しました。もらった回答は、

「条件はクリアしたけど、申請を許可するには最低2年かかる」

そう。これが、アメリカ政府なんです。話には聞いていましたが、まさか自分たちも経験することになるとは思いませんでした。申請の許可に2年なんてどの書類にもないんです。アメリカ政府はいつもこうして、ネイティブアメリカンに対して不当な扱いをします。

「この援助が欲しいなら条件を満たしてね」といって条件をクリアさせ、その直後に「でもやっぱり許可はできません」というのです。長い歴史の中で何度も何度も何度も、、、こうしてたくさん裏切られてきたのです。

そのくせ政府は「ネイティブアメリカンへ積極的に支援をしている」と公言するのです。

それを聞いた非ネイティブアメリカンは

「こんなに援助があって何が不満なんだ」

「ネイティブアメリカンはたくさん援助がもらえている」

と思って当たり前ですよね。現実はこんなもんなのです。

こうして我が家も予算を800万削り、家探しを再スタートすることになりました。

税金の免除

先住民の文化的に重要な宝飾品(民族衣装・レガリアなど)や、バスケットワークの販売、居住地内での農業、漁業、天然資源での収入など特定の種類の収入は、州税が免除されます。所得税は非ネイティブアメリカンと同じように支払います。

例えば!

私の旦那がユロックの居住地内で釣りをして稼いだお金は、収入としてカウントされない仕組みです。この記事を書いた当時、私はネイティブアメリカンのジュエリーデザイナーとして収入がありましたが、もちろん日本人なので収税も支払います。。。(当たり前だ笑)

2020年はこういうものも販売してました^^

水道代の免除

これは保護地区内でもエリアによって異なります。

カリフォルニアという海に面した州のネイティブアメリカンで、尚且つ川の周辺で栄えていた部族なので、水の資源があるというのも条件に入るかもしれません。

居住地周辺エリアで家の内見をしていたとき「水道代年間$200」というところが多かったです。年間$200ってめちゃくちゃ魅力的ですよね。特にお風呂大好き日本人にはたまらない!!!

でっかいジャグジー作って毎日使っても年間$200!!

最高!!結果、ちゃんと使った分だけ水道代がかかる家に決めましたが笑

【結論】支援を受けている人はとても少ない

上で挙げた支援の他にも様々な支援があります。

乳児のいる家庭にはおむつやミルクなどの支給もありますし、私達も毎週指定の場所に行けばダンボール1箱分の食料物資ももらえます。

しかし先程も話したように、実際に支援を受けられている人の数は本当に少ないです。私達のように申請が許可されない人がたくさんいます。さらに、「白人からは何が何でも支援を受けない」と自力で生活するネイティブアメリカンもたくさん存在しています。

「自力で生活して当たり前。みんなそうして生きている」

「支援なんて最低限もらえてればいい」と考えますか?

ネイティブアメリカンが移民によってどのような扱いを受けてきたか。

土地を奪われ、人権を奪われ、命も奪われた悲しい過去をどれだけ知っていますか?

ネイティブアメリカンというだけで職につけないことが、今でもあります。

それでも彼らは自力で生活してきました。私達家族がこうして支援をうけられているのは先人たちが声をあげてくれたおかげ。旦那のルーツを、子どもたちのルーツを、心から誇りに思います。

まとめ

何度も言いますが、部族によって受けられる支援も様々です。あくまで一例だと思って、読んでください。

ただここで一言言わせてもらいたい。。

800万はデカイ!!家の大きさ、築年数、設備の有無!いい家に住めるなら住みたかったよ!!!

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