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先住民女性と少女の失踪・殺害事件を認知させる運動(MMIW)

Aiy-yue-kwee’ Nee-kee-chue!

皆さんこんにちは、

亜希ダウニング(aki_downing)です!

カリフォルニア州のネイティブアメリカン”ユロック族”に嫁ぎ

先住民の土地でのびのび楽しく暮らしています!

突然ですが!【MMIW】という活動をご存知ですか?

今日はこの活動についてお話させてください。

アメリカ在住の日本人の方、アメリカに興味がある方にはぜひ知ってほしい内容ですので、最後まで読んでください。

この記事を書いた人
  • 在米セキュリティカウンセラー
  • オンラインコミュニティ『LinkUp』代表
  • 岩手県陸前高田市国際姉妹都市サポーター
  • 翻訳者・逐次通訳者
  • Webライター・Webデザイナー
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  • 岩手県陸前高田市
    国際姉妹都市サポーター
  • 翻訳者・逐次通訳者
  • Webライター・Webデザイナー
もくじ

MMIWとは

Missing and Murdered Indigenous Women and Girls

”Missing(誘拐)”と”Murdered(殺人)”、そして”Indigenous Women and Girls(先住民の女性と少女)”の頭文字。

【MMIW】【MMIWG】と呼ばれていて、先住民女性と少女の失踪・殺人事件を認知させるための運動です。2017年に始まったこの運動は全米で行われており2021年は4月29日から5月5日まで1週間開催されました。

2019年5月5日 、 ホワイトハウスの公布により【National Day of Awareness for Missing and Murdered Native Women and Girls】として、この活動が正式に指定されています。

Sacramentで行われたMMIWのイベントの様子

MMIWのきっかけ

2016年、全米犯罪情報センターは、アメリカ・アラスカ先住民女性の行方不明・殺人事件は5,712件あったと報告しています。しかしアメリカ司法省に記録されていたのはそのうち116件のみ。残りの5,596件は事件の認定がされませんでした。

事件の多くは先住民の土地で、”先住民以外の人”が起こしているのです。

実は先住民の保護地区で起きた犯罪を調査・起訴する権限は2013年までありませんでした。

加害者が非ネイティブ・アメリカンだった場合、事件化されない、法で裁かれなかったのです。

アメリカとカナダ、両国の先住民コミュニティの法執行機関、ジャーナリストや活動家たちは、性売買・セクハラ、性的暴行、行方不明や殺害された先住民女性の存在を認識させるためにこの活動することを決めたのです。

Sacramentで行われたMMIWのイベントの様子

統計データ

以下、MMIW団体が集計した統計データです。

このデータを見てどう感じますか?

正直、私が想定していたものよりはるかに多い結果でした。。。

さらに記録の不備や過少報告、メディアの偏見報道により、依然として正確な情報を入手するのは困難な状況にあります。一貫した最新のデータがないため、過小評価されている可能性が高いのです。

現在報告されているデータをみるだけでも、米国内の先住民族の悲惨な状況を示しているといえます。

Sacramentで行われたMMIWのイベントの様子

カナダ先住民の問題

ジャスティン・トルドー首相率いるカナダ政府は、カナダの先住民グループやNGO団体の度重なる要請を受け、2016年9月に国家的な公的調査であるNational Inquiry into Missing and Murdered Indigenous Women and Girlsを設立しました。

1980年から2012年のデータではカナダ先住民の人口の割合は4.3%のところ、先住民女性の殺人被害者は全体の16%、行方不明者は11%をカナダ先住民女性が占めていることが判明。

半世紀もの間、行方不明・殺害されたケースが偏見のために調査されなかったとされています。

その例として有名なのが連続殺人犯ロバート・ピクトンによる事件。

49人もの女性が犠牲となったこの事件は『カナダ史上最凶のシリアルキラー』とも呼ばれています。

2007年にピクトンは終身刑が言い渡されましたが、ピクトンが長い間犯行を続けることができたのは、殺害された女性のほとんどがカナダ先住民であったから。警察がカナダ先住民女性の失踪事件を真剣に受け止めなかったからだと言われています。

ちなみにカナダは1980年から2015年までで先住民以外の女性の殺人事件が減少した一方、カナダ先住民女性の殺人事件は9%から24%へと増加しているのです。

Sacramentで行われたMMIWのイベントの様子

TED Youthでのスピーチ

Rosalie Fishさん(当時18)はワシントン州にあるカウリッツ族のひとり。

学校を代表してワシントン州トラック大会に出場し、3つの金メダル、銀メダル、スポーツマンシップ賞を獲得したほか、MMIWへの関心を高めるための活動を行いました。

彼女が情熱を傾けているのは、先住民の認知度向上、伝統の維持と実践、そして先住民のコミュニティと先住民の女性のサポートです。

シアトルはMMIWの被害者数が全米で最も多い地域です。

約12分の動画ですが、ここに先住民女性と少女の抱えている問題が詰まっています。

英語字幕をつけて見ることをオススメします。

アメリカでの違和感

私はネイティブ・アメリカンの旦那と結婚し、ユロック族のコミュニティ内で過ごしてきて、感じたことがあります。

「なぜアメリカ先住民についての情報が少ないのだろう、、、」

ニュース番組、SNSも含むメディアで先住民についての情報を得ることはとても困難であると感じています。

ネイティブのコミュニティで過ごすことで、私はたくさんの情報を得ることができていますが、日頃から強く感じることの1つが非ネイティブ・アメリカンがネイティブ・アメリカンの問題に無関心であること

とても根深い問題なのだと、身を持って感じるようになりました。

2月2日の「Groundhog Day」や3月25日の「Waffle Day」など、ユニークな日は数え切れないほどあるのに、10月の第2月曜日は”Indigenous People’s Day”ではなく”Columbus Day”としているカレンダーも多いです。

この5月5日もNational Day of Awareness for Missing and Murdered Native Women and Girlsではなくメキシコのイベント”Cinco de Mayo”を祝っている。

他国のイベントより、アメリカ先住民に目を向けることはできないのでしょうか。。

私の義理の家族は5月5日は必ず追悼をします。

家族・親戚・友達の中で、何人もの女性が非ネイティブ・アメリカンによって殺害されているからです。

こうした”違和感”に少しでも気づいてほしい。

メディアの情報を鵜呑みにしないでほしい。

そして、ネイティブ・アメリカンが2023年になってもGenocideされていることをしっかり認識してほしいと思っています。

Sacramentで行われたMMIWのイベントの様子

【追記】 インスタによるGenocide

2021年5日5日。

インスタグラムは#MMIWに関する投稿を次々と意図的に削除していることがわかりました。

これにネイティブ・アメリカンのコミュニティ・団体が強く抗議。

しかしインスタグラムはこれに対し「世界的にバグが起こっただけ。対応はしない」と回答しました。

このMMIW運動に関する投稿・ストーリーズは数時間以内に削除されてしまうのです。

彼らの声は、こうして”無かったもの”とされるのです。

この問題は、非常に根深いのですね。

私も、もっとこの問題について声をあげようと強く思いました!

まとめ

5月5日は

”National Day of Awareness for Missing and Murdered Native Women and Girls”

MMIWの活動は、もちろんこの日だけでなく引き続き年間を通して行っています。

もしどこかで活動を見かけたら、イベントがあったら、足を止めて、耳を傾けて、目で見て、感じてください。

目の前で行われている演説の内容、ボードに書かれたこと信じたくないようなことばかりですが、それが現実です。

アメリカでは過去に「インディアンを殺し、人間を救う」を合言葉に使っていた時代があるのです。その名残が、2023年までずっと続いています。

あなたはネイティブ・アメリカンを見てどう思いますか?

”非人間”として見ていますか?

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