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突然ですが、
大仏の性別って考えたことあります?
(大仏は大仏でしょ・・・)
私はそう思ってました。笑
しかし、どうしても解決しなければいけない
問題に出会ってしまったのです。
ここでは大仏を例に挙げますが
これから先、この時代を生きるにあたって
誰しもがぶつかる問題なのではないでしょうか。
大仏の性別とは
事の発端はこちらの動画
私、タレント福田萌さんのYoutubeチャンネル
-Moe ch.もえチャン-の英語字幕を担当しています。
今回はタイ旅行に出かけた中田夫妻。
タイの寺院を散策する動画でした。
映像資料を確認して
なんとなく頭の中で翻訳していきます。。。
あれ。。。
大仏って。。。。
男?女?
日本語で楽しく動画を見るぶんには
そんな疑問は沸かないかもしれません。
しかし、日→英の映像翻訳をするには
とてもとても重要な問題なのです。。
主語が必要な英語
英語の構造は日本語と違って
ほとんどの場合で
「主語+動詞」が徹底しています。
そしてその主語の役割は、
私達が日常、日本語で会話しているのと
大きく異なるのです。
と、いうことは
大仏を語るには
必ず”He”か”She”、もしくは”They”など
主語を入れないと、文章として成立しないのです。
ググったら迷宮入りした
クライアントに確認を取る前に
一通りググります。
私はどんなことでも
必ず日本語と英語両言語で調べます。
情報量の多さがまったく異なりますし
日本人の常識で書かれたものが
海外の常識と当てはまらないことが多いからです。
実際に日本語だと誤訳されていたり
間違って伝わっていることがとても多くあります。
さてまずは日本語。
- 大仏は男。
- 大仏は男女の概念を超えたもの。
- 妻をもらっているのだから男。
なるほど。
もちろん何年にこの記事がアップされたかも
しっかり確認していきます。
時代が変われば価値観も変わりますからね。
数年前ではなんとも思わなかったけれど、
この「妻をもらっているから男」の考え方も
2023年の私には非常に引っかかる発言ではあります。。。
アメリカ在住。
それもカリフォルニア。
ゴリッゴリのリベラルな州で暮らしているので
この『ジェンダー問題』は非常にデリケートです。
さて次は英語で検索します。
英語で検索するときは
情報を鵜呑みにせずファクトチェックをしっかりしないといけません。
カリフォルニアの人が書いたのか
テキサスの人が書いたのか。
白人か黒人か。
移民なのか。はたまた別の国なのか。
ここをしっかり調べるために
一つの疑問に対して、検索は莫大な時間がかかります。。
ざっと調べて出てきたのがこちら
- Buddha is a man.
(ブッダは男) - He is a female man.
(彼は女性という男) - Buddha is a woman, but not a female.
(ブッダは女。しかし女性ではない) - He is a man, but not male man.
(彼は男。でも男性という男ではない)
はい。脳みそがキレイに爆発しました!!
思考停止とはこのことー
というくらいしっかりめに脳がバグを起こしました。
私はべつに
「人間には男と女の2種類しかない」
なんていう極端なことは考えていません。※思っていても口には出しません。
私はただ、「大仏は男です」という
確信がほしくて調べただけなのに!!!
すぐ目の前に見えていたゴールが
一瞬のうちに消えて無くなったのです。。。
(とうとうジェンダー問題はブッダにまで来たのか。。。)
非常に難しい世の中になりました。
映像翻訳者として
先輩の映像翻訳者さんが
「最近の字幕付けは非常に難しい。見た目や名前だけを頼りに主語を決められない。たとえ見た目が女性、性自認が女性であっても”She”と付けられない時もある。」
と話していたのを思い出しました。
それが故人(大仏を故人と呼ぶのかどうかも微妙ですが)であった場合
確認のしようがない!!!
今の時代、自分の主観に責任が持てない!!
ムズいぞ時代!!
他の場面では
「翻訳者の腕の見せ所〜」
みたいな訳ができて楽しいのですが
ジェンダーに関しては見せる腕がない。
腕を見せるところではないのだ。ムズいぞ。
今回の場面はクライアントの萌さんに説明し、
大仏は”He”と表現しよう!というところに収まりました。
しかしその後私はこの『大仏ジェンダー問題』について
旦那とかなり長い時間語り合うこととなるのです。。。
気を使う”主語”の話
「アメリカは履歴書に性別を記入する欄がない」
といいますよね。
その通り、性別で差別されないように
そもそも記入はしません。
しかし最近それとは別で、
『どの主語で呼んでほしいか』を記入や主張する場面があります。
- ”娘”を出産した時、助産師から”She”と呼んでいいか確認があった。
- 病院の問診票にHeかSheかTheyか選ぶ項目がある。
- 仕事のメールの最後に、名前や電話番号の他に”She/her”と主語を載せる人が増えた。
- まだ性別の分からない胎児に、妊婦が”He/Sheと呼んで”と言うこともある。
- 性別が男性であるのに”He”と呼ぶと差別主義者だと言われる←ただの揚げ足。
- 犬に”They”と言わないと怒られる←なんで
デリケートもデリケート。。。
特に私達のような外国語として英語を学んでいる人からすると
性別が分からないから”They”や
気を使って主語を”They”は
単純にめちゃくちゃ混乱するんですよね。
(あれ、いま誰の話してるんだ。。。)
っていう感覚に陥るというか。
いや、でももうそういう時代だと
その主語の多様性を楽しむしかない!
日々勉強だと思って教養を増やすつもりで
対応していくしかありませんね!
まとめ
なんだかまとまりのない文章でしたが
ただただ「大仏の性別」を考えただけなのに
色んな文化の色んな人に配慮した表現はなんなのか
考えすぎて考えすぎて、
こんなに考えている自分が怖くなりました。笑
いや、考えることは大事なんですよ。
ジェンダーの問題はきちんと考えないといけないのですが
大仏+ジェンダーが
まさかこんなことになるなんて。。。笑
こうして色々と考えて学ばせてもらっている
環境に感謝しかありませんね!
そんな風に考えながら翻訳しました。
ぜひそれも踏まえて見てみてください!
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